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  3. G7仙台 科学技術大臣会合 開催30日前記念講演 「科学技術を読み解く力」開催結果(概要)

 当会では去る4月14日、仙台市で開催予定(5/12-14)のG7科学技術大臣会合開催30日前を記念し、2023 G7仙台科学技術大臣会合推進協力委員会との共催により標記講演会を開催しました。
 「読解力」の研究で著名な、国立情報学研究所社会共有知研究センター センター長・教授の新井紀子(あらい のりこ)氏をお招きし、「科学技術を読み解く力」と題してお話をいただきました。
 冒頭、新井先生は次世代放射光施設・ナノテラスに触れ、「ナノテラスは地域が使うことも目標にした国家プロジェクト。『この分野ではシェアが最大』など、地域の企業が世界で輝く事例がたくさん生まれることを期待したい」と話されました。
 その後の講演では、いま世間の耳目を集めているChatGPTを引き合いに、「現在のAIは『論理』ではなく『確率』と『統計』に基づいて答えを返しているので、自然な受け答えは出来るが100%の正しさを保証できない。でも結構正しい。何が事実かわからない時代だからこそ、ChatGPTは自分の知っていることに使うべき。そうすればどれだけ“間違っているか”がわかる。呼吸するように嘘をつくので(笑)。」として、「一定の条件で3分間スピーチを考えてもらう」等の使い方が有効であると話されました。
 また、どういうところにAIを使うのが良いかトップが判断できる企業とそうでない企業の差が出始めている。「ビッグデータを使う際は、『このデータで何かしてほしい』といったフワっとしたことではなく、『このデータで○○を実現したい』というように何を出力するのかを決めておく必要がある。」など、具体的な事例をもとに、AIとのかかわり方について分かりやすく解説いただきました。
 また、企業現場での読解力について、「テレワークが浸透し、説明を聞かずにメール文書やドキュメントで決裁をする必要があるが、相手の文章を読み解く力がビジネスパーソンに備わっているか」と問題提起され、学校の教科書、企業のマニュアル・契約書を正しく読むことの重要性について言及されました。
 最後に、新井先生が考案された『リーディングテスト』に触れられ、「科学技術を読み解くためには“説明文を読む力”をつけましょう」と話され講演を締めくくりました。
 私たち自身が読解力を高め、科学技術の意義について理解を深めることにより、G7科学技術大臣会合を地域一体となって盛り上げていきましょう。

リーディングスキルテストについて(一般社団法人 教育のための科学研究所公式HP)
https://www.s4e.jp/about-rst

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