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  3. (東経連情報第20号)東経連調査「地方創生施策による東北地域の潜在的将来人口」の公表について

 東北地域は全国で最も人口減少率が大きな地域であり、大震災を克服し、人口減少社会にも対応した新しい東北の実現が喫緊の課題となっています。本調査では、国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で示された地方創生施策のうち、東北の人口増減に与える影響が大きな4つの施策、①出生率の向上、②自県大学進学率の引上げ、③移住受入(Uターン等)の拡大、④地域拠点都市機能の強化(仙台市の「ダム機能」強化)を取り上げ、東北の各県が、国の目標値等を意識してこれら地方創生施策の実現に取組んだ場合の東北7県の潜在的将来人口を推計しました。
 主なポイントは以下の通りです。

○上記の地方創生施策を実現した場合の東北7県の潜在的将来人口は、2040年で939万人となる(県別内訳:
 青森県101万人、岩手県101万人、宮城県220万人、秋田県75万人、山形県90万人、福島県159万人、新潟
 県193万人)。これは、2010年実績の1,171万人から232万人の減少となるものの、地方創生施策を実施し
 なかった場合に比べ、74万人の人口上積み効果となる(県別内訳:青森県8.3万人、岩手県7.2万人、宮城
 県22.8万人、秋田県4.9万人、山形県6.3万人、福島県10.9万人、新潟県13.6万人)。

○この人口上積み効果を「自然減対策(=出生率向上効果)」と「社会減対策(=自県大学進学率引き上げ
 効果+移住受入拡大効果+ダム機能強化効果)」に大別して見ると、青森県では「自然減対策」が50%
 を超え、残りの6県では「社会減対策」が50%を超える。6県のうち、宮城県では仙台市の「ダム機能」
 強化の役割が大きい。

○これら試算結果より示唆される効果的な地方創生施策のあり方は、出生率向上の取組みは勿論、若年層
 の地元就学・就職支援やUIJターンの受入拡大等の社会減対策に重点的に取り組むこととなる。

○とりわけ社会減対策には、その受け皿となる雇用創出が不可欠である。そのためには、東北地域で集積
 が進みつつある自動車・医療機器産業等の強化を始め、将来の有望産業である加速器関連産業の育成、
 農林水産業・観光産業の成長産業化等、中長期的な視点に立った東北の戦略的産業の振興・育成が必要
 になる。加えて、これらの産業が求める人材像に合致した人材の地元還流策を一体的に推進することが
 重要になる。

○東経連としては、以上の問題意識を踏まえ、東北の戦略的産業の強化・育成に取り組むとともに、それ
 ら産業が求める人材の地元還流施策のあり方についても、地域の関係者(産学官並びに金融・労働・
 言論界)とともに議論を深め、その実現に努めていくこととしている。

 

東経連調査2015年8月(地方創生施策による東北地域の潜在的将来人口)

 

【ご照会先】
 一般社団法人東北経済連合会 地域政策グループ 金内
            ℡ 022-799-2104

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