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  3. 「(株)松栄工機 非接触磁気歯車」の国内基本特許権の取得について(東経連事業化センター)

 東経連事業化センター(会長・幕田圭一(社)東北経済連合会会長)は、マーケティング・ビジネスプラン支援事業の一環として、(株)松栄工機(大崎市:代表取締役 小林 敬)に対し、「非接触磁気歯車装置の知的財産戦略」をテーマに支援活動を実施しておりますが、この度、(株)松栄工機は、非接触磁気歯車装置の基本特許である「動力伝達機構」の国内特許権(特許第4072186)を取得しましたのでお知らせいたします。

 非接触磁気歯車装置とは、歯車などの動力を、接触することなく磁気の力で伝達する装置です。このため、通常の歯車に比べ、騒音や粉塵の発生が少なく、耐久性等にも優れていることから、クリーンルームや食品工場といった安全、衛生面に配慮が必要な場所での動力伝達部分などの幅広いアプリケーションが可能になります。
従来の非接触磁気歯車装置は、2本の磁気歯車軸を直交する形で動力を伝達するもの(図1)で、構造上、強いトルクや高速の回転を得ることが難しく、エネルギー伝達効率の向上が用途拡大のための大きな課題とされておりました。
こうした中、(株)松栄工機は、東北学院大学の鶴本勝夫教授の協力を得て、円盤型の磁気歯車の磁気円盤に、円筒磁石を組み合わせた独自の直交型方式を開発し、トルク不足など、これまで弱点と言われていたこれらの課題を解決することに成功いたしました。

 具体的には、動力を伝達する磁気歯車(円盤状の平面の一面に放射曲線上の永久磁石を配置した磁気円盤)と磁気歯車(円筒状の外周面に螺旋状にスキュー(歪)を持たせて着磁させた永久磁石円筒)を互いの中心軸が直交するように非接触状態で配置し、線でかつ連続する噛み合いを創出することで、十分なトルクを引き出すもの(図2)です。

 今回、同社が取得した国内特許権は、新たに開発した「動力伝達機構」の特許権の根幹をなすもので、同社が今後進めていく特許戦略のコアになるものです。今後、東経連事業化センターでは、さらなる知的財産権の確立を目指し、ドイツ、中国、韓国での国際特許権や周辺特許の取得に係る支援を行うこととしております。

マーケティング・ビジネスプラン支援事業は、新製品・新商品の開発に際して課題となるマーケティングや知的財産の戦略立案ならびにビジネスプランの構築等の支援を行う事業で、平成18年4月の設立以降、これまでに6社※2の事業を支援してきており、支援企業に対しては、当センターに登録している専門家等をメンバーとする支援チームを個別に編成し、原則として1年間を期間としてマーケティング・ビジネスプランの支援活動を行います。マーケティング・ビジネスプラン支援事業は随時申込みを受け付けています。

東経連事業化センターでは、今後とも、マーケティング・ビジネスプラン支援事業として採択している6社のマーケティングや知的財産の戦略立案、さらにはビジネスプランの構築等の支援活動を展開していくこと等を通じて、東北域内企業の新規事業化に積極的に取り組んでまいります。

【本件についての照会先】   
東経連事業化センター 西山 
℡022-225-8561

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